トロッコ

おはようございます、ちょっと小さいおじさんです。

今朝は大雨からスタートしました。

豪雨の目覚め。

さて。

なんかね、色々とイヤになりました。

色々と。

誰かと何かと比べちゃイケナイルージュマジック。

そんなのはわかってるんだけど、でも比べちゃう。

いいなぁ岡田准一はイケメンで。

いいなぁ八村塁は背が高くて。

いいなぁ誰それさんちの子は。

キリがないからヤメとくけど。

自信を持てない未熟者である、と評価してくるネット診断。

AIがそう言うならそうなんだろ。

Yahoo!ニュースであるニュースを読んだ。

嵯峨野のトロッコ電車が止まってしまい、乗客が降りて歩いて駅まで向かった。

そいう内容だった。

昨日の事件みたいです。

約300名の乗客が歩いた距離は約700mほどだったそうな。

このニュースを読んで、芥川龍之介の小説「トロッコ」を思い出した。

スマホの画面のトロッコという文字で、ストレートにその小説を連想したのだろう。

我ながら素直な人間だと思う。

ニュースにおける乗客の歩いた距離は700m。

いつもだったらこの距離から小説の主人公の男児の歩いた距離を推定したりする。

それが前のブログの一つのネタでもあった。

桃太郎や浦島太郎の話もこの手でチャカしてきた。

でも今回はそんなことはしない。

そんな気分じゃない。

おじさんも小説の主人公のような気持ちになったことがある。

釣りに出て思いがけず遠くまで来てしまい、想像をはるかに超えて帰宅が遅くなった。

中一くらいだったか。

自宅が視野に入った時の安堵の気持ち。

ドアを開けてみると、予想に反して怒られず。

おそらくこういった経験は多くの人が持ち合わせているだろう。

そしてその経験と作中の主人公の気持ちを重ねる。

でも今回トロッコという文字をみて、子供時代のそんな経験を思い出したのではなかった。

「お前はもう帰れ」

トロッコに乗ってたのか押してたのか、どちらだったか。

最初は押してたんじゃなかったか。

とにかく作業員に突然そう言われる。

そして我に返り、予想外に遠くに来てしまった事を知り、そして一人で帰ることに絶望する。

たしかそんな場面があった。

作業員のセリフも確かじゃないかもしれない。

ずいぶんと昔に読んだからね。

とにかく主人公の男児はもう帰れと言われた。

そして一人で元来た線路を引き返す。

とにかくいま、この「トロッコ」という文字に引っかかった。

ただ読み流すのではなく、なぜかこの文字に引っかかった。

呼び起こされる過去の記憶と小説のワンシーン。

記憶の方も迷惑な話だよな。

急に呼び起こされてさ。

小説だって「今まで連絡もして来なかったのに今更なにさ」と思ってるだろう。

いま、一人で線路を歩いてる。

そんな気持ち。

おじさんは、ね。

たぶん息子もそうだろう。

それでは今日も深く静かに潜航せよ。

では!