息子逃亡

おはようございます、ちょっと小さいおじさんです。

晴れていたと思ったのに。

急に雲が出てきました。

これは降りますね。

さて。

昨日の話の続き。

で、どうしたもんかと考えてました。

まず、その部活動を見てみようと。

どんな活動内容なのか、その風景を見てみて重要度を推測してみようと。

まず学校へ電話。

コロナによるクラス閉鎖が出ているようなので半ば諦め気分で電話。

見学していいかどうかを聞いてみるとOKだという。

奥さんと二人、急いで着替えて電車でGO。

部活が終わってしまうかギリギリのタイミングだったけど、やはりタクシーは早かった。

無事、活動に間に合った。

建物の陰から遠巻きにサッカー部の練習風景を見る。

居た。

息子が居た。

硬式テニス部の息子がボールを蹴っている。

こういう時、母親が自分の子供の発見する速度は異常。

どこの家でもそうだと思うが、こういうときの母親の視力は急に良くなる。

おじさんはわからない。

どれもこれも似たようなヒョロガリクソ眼鏡君。

しばらくするとこちらに気づき、駆け寄ってきた。

驚き、そしてバツの悪そうな顔をしている。

「テニスの練習はしないの?」

「ちょっと体験入部で・・・」

もう態度がおかしい。

変質者の態度である。

「飲み物を買ってくる」

そい言い残して息子は我々から離れて校舎に入っていった。

以降、彼は戻ってこなかった。

小一時間、我々は息子を待ちながらサッカー部の練習を見学してた。

在校生の保護者と見たのか来年の受験生の親と見たのか、通り過ぎる野球部や帰宅部、行きかう彼らがあいさつをしてくる。

いちいちそれにこたえるのが面倒だった。

いかんせん数が多くて疲れる。

それにしても帰ってこない。

もう一時間は経つ。

気づかぬうちに練習に加わっているワケでもない。

これはおかしい、逃亡したに違いないと判断。

奥さんが教室へ向かってみた。

おじさんのスマホへ連絡。

教室に居たらしい。

着替えさせる。

気まずいから、とサッカー部の練習場所を避けるように校門へ向かう。

「どうして戻ってこなかったの?」

「なんか・・・・」

少しざわつき始めた夕方の下校道。

聞こえないような声でボソボソ言ってた。

自宅最寄り駅近くまで来てから夕飯をした。

少し話ができるお店をチョイス。

そこで今回の件を改めて家族会議。

そこで結論が出た。

「一度辞めた部なんだから男らしくあきらめろ」

これで納得したみたい。

「めるるがかわいいからっていってて、でも橋本環奈もいいなって。でもハシカンやめてやっぱりめるるに戻ってきたら、めるるだってイヤな気分になるだろう?違うか?」

こういう表現はまだわからなかったようで、反応が薄かった。

でもとにかく納得してくれたようだった。

今朝、駅まで送りに行った。

めったにしない。

「ちゃんと顧問先生に言うんだよ」

「うん、わかった」

そうして彼は通勤の雑踏に消えていったが果たして今頃どうなっているのだろう。

ちゃんと顧問にそれを伝えているだろうか。

いつものようにグズグズして要領を得ない話をしているのではないか。

きっとそうだろう。

今日の帰りが楽しみだ。

それでは今日も頑張ろうね。

では!