朱鷺とハチメ

おはようございます、ちょっと小さいおじさんです。

暑いいぃぃ。

暑すぎるぅぅ。

さて。

今日はメッチャ疲労してる。

だから昔のブログの記事を転載して終了とします。

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おはようございます、おじさんです。

昨夜の雨も上がり、いい朝のお天気。
今日はこんなお天気らしいけど、週末の土曜日はまた雨らしい。
どうなってる??

さて。
たまに思い出す出来事がある。
市場などでオレンジ色のその魚を見つけるとそれは確実に思い出される。

もう随分と昔の事、まだおじさんがおじさんではない若かった頃の出来事。
その頃、よく佐渡島に行ってた。
よく行っていたといっても、10回以上20回未満といった程度。
飛行機を使った事は無く、直江津からも乗った事はなく、新潟港からのみ。
いつも新潟港と両津港の往復だけで、その佐渡汽船も2等客室以上を使ったことは無い。
でも数回、ジェットフォイルに乗っただろうか。
おじさんは船の移動が大好き。
飛行機の搭乗前の追われるようなせわしさがなくていい。
ゆっくりと岸壁を離れる瞬間の絶望感もたまらない。

その佐渡は何回もかけて島を周遊した。
何周したろうか。
忘れたなぁ。
有名な金山やたらい舟などはほとんど興味がなく、目的は食べ物だった。
それしか興味が無かった。
色々と美味しいものがあったの。
米は美味しかったな。
現地で知り合ったおじさんが、おじさんの東京の自宅に毎年送ってくれてた。
ただ現地で知り合っただけなのに、数年にわたりお米を送ってくれてた。
佐渡の人はなんて優しいのか。
まぁおじさんは普段からお米はあまり食べないので、貰っても人にあげてましたが。

そもそもなぜそんなところに出かけて行ってたのか。
それは幻の料理を探すため。
今のようにインターネットでなんでも調べられる時代じゃない。
知るためにはもう行くしかなかったのだ。
しかし残念ながらそれが徒労に終わる事もある。
結論として佐渡にトキの料理は無かった。

当時、好奇心モリモリだったおじさんは珍しい材料などを片っ端から食べたがった。
貴重品はもちろん、ゲテモノから何から。
外国でも国内でも。
おじさんの未食リスト国内版にトキが入ってた。
昔からトキは特別天然記念物に指定されていた。
日本で数羽!とかなんとか言って、その実現地では食用に供されているのではないか。
特別な儀式用とかで冷凍されているのではないかと睨んでいた。
昔の資料などで「赤い鍋」になるとか色々と書かれていたし、現地には食べた事もある方もご存命だとも聞いていた。
明治時代の書物にはその肉を旨いというものもあったらしい(マズイという記述もある)。
長くなるので途中は省略するが、結局トキは食べられなかった。
トキは本当に数羽しかいない鳥だった。
絶滅する前に一口でいいから食べたかったなぁ。

しかし地元の人に聞くたびに笑われたわ。
トキセンターの隣の公民館みたいなところで剥製や骨格標本を見ただけ。
その骨を見る限り、美味しそうなスープは取れそうもなかった。
佐渡訪問数回目でトキは諦めた。
しかし収穫があった。
転んでもただでは起きないのだ。

そのトキ探しの旅の途中、とある民宿で食べた魚がとても美味しかった。
他の居酒屋でもその魚が出てきて、それも美味しかった。
どれも塩焼き。
でも美味しい魚なんていくらでもいるだろうここは日本海だ、と特に気にしていなかった。
が、どこへ行っても佐渡ではその魚の塩焼きが出てくる。
たまに煮つけも出てきたかな。
魚には自信があったので、それがメバルであることを知ってたいたのだが、それが納得できなかった。
当時の自分の中で、メバルはさほど上位にランクされるテイストでは無かった。
店の人に聞くと「ハチメだ」という。


※ネットの拾い物。

聞きなれない言葉に、帰京してから調べると「ウスメバル」のことだった。
この名前だったらもちろん知っていた。
そういや石川、富山、青森の料理屋でも出て来たな、と。
でも佐渡で食べるウスメバル「ハチメ」は異常。
とてつもなく旨い。
同じ魚種でも生息域が違うことによって味が変わってくるのはよくある話。
でもその次元が違っていた。
それを佐渡のひとは自慢げに「ハチメ」と言っていた。
煮付けでも塩焼きでも、何にしても旨いその魚。
さして高級魚ってワケでもなく、値段も安く島のどこでも出てきた。
関東でもウスメバルは沖メバルと称され、釣りの対象で割と数が釣れるお魚。
主に外房沖で釣れるのだが、ハチメほど美味しくない。
マズくはないのだが、感動を伴わない旨さ。
予想通りのメバル系の旨さにとどまる。
何度か釣った事もあるのでその味を記憶しているが、まぁこんなもんだろうという旨さ。
ウスメバルの名誉の為に書いておくが、彼らは旨い魚の部類。
佐渡のハチメが格の違う突き抜けた旨というだけ。
トキにはありつけなかったけど、ハチメと出会えた幸せ。
人生はかように奇遇である。

こんな事を書いていたら急に食べたくなってきた。
人生の最後の食事の魚は何がいいかと神様に聞かれたら、間違いなくコハダか中トロをお願いするだろうが。

今日も元気にいきましょう!
では。

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では!